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抗コリン作用

投稿日:2019年8月2日 更新日:

副交感神経
アセチルコリン受容体(コリン作動性受容体)
アセチルコリン受容体は、アセチルコリンによって刺激される受容体である。
末梢では副交感神経の神経終末に存在し、副交感神経の活動を制御している。

アセチルコリン受容体は二つに大別される。

ムスカリン受容体(代謝調節型)とニコチン受容体(イオンチャネル型)である。

ムスカリンは、ムスカリン受容体に作用してアセチルコリンと同様の作用を示すアゴニストである。
アトロピンは、ムスカリン受容体のアンタゴニストである。

ニコチンは、ニコチン受容体に作用してアセチルコリンと同様の作用を示すアゴニストである。
d-ツボクラリンは、ニコチン受容体のアンタゴニストである。⇒ 筋弛緩作用

アセチルコリンは副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる
副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛みが増大し、潰瘍や胃炎・腸炎が悪化しやすくなる
本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)を持つ

チアトンカプセル5㎎・10㎎ チキジウム〇 抗コリン薬(消化器)、選択的ムスカリン受容体拮抗薬、腹痛
ブスコパン錠10㎎ ブチルスコポラミン〇 抗コリン薬(消化器)、四級アンモニウム塩、消化管鎮痙
コリオパン錠10㎎ ブトロピウム〇 抗コリン薬(消化器)、四級アンモニウム塩、消化管鎮痙
ロートエキス散 ロートエキス〇 “抗コリン薬(消化器)、胃酸過多、痙攣性便秘など、
アトロピン,スコポラミンなどのアルカロイドを含む、抗コリン3点”

日耳鼻 112: 99―103,2009
「抗ヒスタミン薬の薬理学」
第一世代 H1 受容体アンタゴニストは中枢神経抑制作用による鎮静,認知能力低下,眠気,抗コリン作用による口渇,尿閉,便秘などが一般的である.古い抗ヒスタミン薬が抗コリン作用を持つのはアミノ酸配列におけるヒスタミン H1 受容体とムスカリン M1 受容体の相同性30%以上で,他の受容体と比較して最も高いことに起因する.

福岡県薬
ヒスタミンH1受容体とアセチルコリン受容体であるムスカリンM1受容体の受容体タンパク質間のアミノ酸配列の相同性は30%以上で、他の受容体と比較して最も高い。したがって、抗ヒスタミン薬はムスカリンM1受容体とある程度の親和性を有するため抗コリン作用を示し、第1世代抗ヒスタミン薬は第2世代に比べ受容体選択性が低いため、抗コリン作用が強い。(相同性:遺伝子やタンパク質の構造に共通性がみられ、共通の起源に由来する場合、これらを相同と言う)

〔生化学 第84巻 第9号 2012年 9月〕p.773
ヒスタミン受容体は,生体アミンの一種であるヒスタミンを受容する GPCR で,ヒトには機能の異なる4種類のヒスタミン受容体(H1R,H2R,H3R,H4R)が存在する.H1R は全身に分布し,主に花粉症などのアレルギー反応に関わっている.体内にアレルゲンが侵入すると肥満細胞からヒスタミンが放出される.そのヒスタミンが平滑筋や血管内皮細胞などに存在する H1R に結合すると H1R は活性化状態に平衡を偏らす.その結果,平滑筋収縮・血管拡張・血管透過性亢進などが引き起こされ,かゆみや鼻水などのアレルギー症状が発生する.一方,脳に発現しているH1R は,脳内で神経伝達物質として働いているヒスタミンを受容し,睡眠覚醒サイクルの制御や記憶に関与している.

ただし、第二世代H1受容体拮抗薬でも、抗コリン作用リスクスケールに記載がある

うつ病――[ I ]基礎・病態
3.抗うつ薬の薬理作用機序:最近の知見
神庭 重信*・橋岡 禎征*・門司 晃
第 129 回日本医学会シンポジウム

イミプラミンなどの三環系抗うつ薬が主としてノルアドレナリンやセロトニンある
いはドーパミンのトランスポーターに結合し,トランスポーター機能を阻害すること
で,モノアミンの細胞外レベルを増加させることが古くから知られていた.従来の抗
うつ薬は,この主作用に加えて,抗コリン作用,抗アドレナリン作用,抗ヒスタミン
作用を強く併せ持っていたために,臨床的には口渇,便秘,立ちくらみ,眠気などの
副作用が有害作用として現れるという欠点をもっていた.近年開発されてきた選択的
セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)あるいはセロトニン・ノルアドレナリン再取り
込み阻害薬(SNRI)は,モノアミントランスポーターの阻害作用だけを選択的に残し,
他の受容体への阻害作用を削り取った化合物として合成され,開発されてきた,モノ
アミン伝達に作用する薬物が抗うつ効果を持ち合わせていることは異論の無いところ
であり,今後もモノアミン伝達の修飾作用をもつ化合物が新規抗うつ薬として登場し
てくると考えられる.
しかし,モノアミン取り込み阻害仮説では,阻害作用は抗うつ薬が作用点に達した
直後から起こる急性期の作用であるにもかかわらず,うつ病の回復にはおよそ 6 週間
かかる,という現象が十分に説明できなかった.抗うつ薬は,モノアミン取り込み阻害
を介して,ゆっくりとした時間経過で脳内変化を起こし,その変化がうつ病の改善につ
ながるのではないか,と考えられてきた.うつ病の回復と関係する現象を直接に起こ
せる薬物を開発できれば,より早く,よりよくうつ病を改善できることが期待できる.
その機序として,受容体のダウンレギュレーションが候補にあがったが,SSRI がダウ
ンレギュレーションを起こさないことから,一般的な機序とはみなされなくなった.
近年注目されている機序の一つが,海馬神経新生(ニューロジェネシス)の促進作
用である.基礎研究では,SSRI は電撃療法とともに,神経新生を促進することが示さ
れた.逆に神経新生を阻害しておくと抗うつ薬の作用が消去される.うつ病はストレ
スを誘因として発症することが多いが,ストレスはグルココルチコイドの産生増加を
介して海馬神経新生を抑制する.また我々は,うつ病を起こすサイトカインであるイ
ンターフェロンが海馬新生を阻害することを明らかにした.このように,海馬の神経
新生をめぐってうつ病あるいは抗うつ薬の作業機序が論じられている.本稿では,最
近の知見を紹介しつつ,作用機序仮説ならびにうつ病の病態仮説を展望してみたい

トランスポーターの基礎と臨床
トランスポーターは、細胞の膜を物質が通過する際に必要な通路を形成する膜タンパク質の一つで、以前はキャリアーとか輸送担体などと呼ばれていた。水溶性低分子物質の通路となる類似の膜タンパク質としてはチャネルがあげられるが、両者の輸送スピードは桁違いに異なる。
トランスポーターは、ATPのエネルギーを利用して能動輸送を行うABC(ATP-binding cassette)トランスポーターファミリーと、ATPのエネルギーを利用しないSLC(Solute carrier)ファミリーの二つに分類される。

三環系抗うつ薬:主作用以外にも抗コリン作用,抗アドレナリン作用,抗ヒスタミン作用を強く併せ持っている
新しい抗うつ薬は、抗コリン作用などの作用を減弱したものとなっているが、依然として抗コリン作用は残っている

排尿障害の多くは下部尿路(膀胱と前立腺を含めた尿道)の器質的あるいは機能的障害に起因する。
排尿障害は、一般的には蓄尿障害と排出障害に大別される。
蓄尿障害:膀胱内に尿を低圧状態で漏らさず溜めることができない
排尿障害:適切な圧力で尿を残らず出すことができない

畜尿及び排尿の生理を理解するには、膀胱体部(排尿筋)と膀胱出口部以下(膀胱三角部,頸部以下の尿道,前立腺及び外尿道括約筋)
に分けて、その機能を考えると分かりやすい。(図1 下部尿路における受容体の分布)

主に副交感神経が支配する膀胱排尿筋にはムスカリン(M)受容体が密に分布する。一方で交感神経が優位な膀胱出口部以下はαアドレナリン受容体(主にα1 受容体)が豊富である。また随意筋である外尿道括約筋の神経-筋伝達はニコチン受容体を介している。(図1)

蓄尿期には交感神経が優位となっている。
排尿筋(副交感神経支配)は弛緩し、膀胱出口部以下(交感神経支配)は緊張して閉じているため尿禁制が保持される。
畜尿障害に対しては、排尿筋収縮を抑制する薬物あるいは膀胱出口部の抵抗を増強する薬物を用いる。
注:尿禁制(排尿を自分の意図したとおりコントロールできること、尿失禁のない状態)

排尿期では副交感神経が優位となる。
排尿筋は収縮し膀胱出口部以下はこれと協調して弛緩するため十分な排尿が可能となる。
排出障害に対しては、排尿筋収縮を増強する薬物ないし膀胱出口部抵抗を減弱させる薬物が用いられる。

過活動膀胱に対しては、選択性ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)が処方される。

副交感神経終末から放出されたアセチルコリン(ACh)が,排尿筋のM 受容体(主にM3 受容体サブタイプ)と結合して収縮が発生・維持される。抗コリン薬はACh と競合してM 受容体に結合し、その不随意収縮(排尿筋過活動)を抑制して蓄尿症状を改善する。

ウリトスOD錠0.1㎎・(錠0.1㎎)、ステーブラ イミダフェナシン〇 選択性ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬:神経因性膀胱、過活動膀胱)、頻尿や残尿感
ベシケアOD錠2.5㎎・5㎎ ソリフェナシン〇 抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)、口渇・便秘・目のかすみ
ベタニス錠25㎎・50㎎ ミラベグロン〇 β3刺激薬(過活動膀胱)、生殖器→中・高年向き
ベオーバ錠50㎎ ビベグロン β3刺激薬(過活動膀胱)
ブラダロン〇 フラボキサート錠200㎎ 抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)
バップフォー〇 塩酸プロピベリン錠10㎎・20㎎ 抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)
ネオキシテープ73.5㎎(ポラキス錠無し) オキシブチニン〇 “抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)、(抗コリン3点)
血中濃度上昇緩徐⇒抗コリン作用(副作用)↓”
トビエース錠4㎎ フェソテロジン〇 抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)
デトルシトール トルテロジン 抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱)、抗コリン2点

抗コリン薬リスト(日本眼科学会)
オキシブチニンのみリスト採用

ナウゼリンOD錠10㎎・ドライシロップ1% ドンペリドン〇 制吐薬(ドパミンD2受容体拮抗薬)、脳届かない(錐体外路障害少)、授乳中OK
プリンペラン錠5 メトクロプラミド錠5㎎ 制吐薬(ドパミンD2受容体拮抗薬)、脳に届く(適応広い)、妊娠中OK、抗コリン1点
ガナトン錠50㎎ イトプリド〇 慢性胃炎(ドパミンD2受容体拮抗薬、胸やけ)、錐体外路障害
ガスモチン錠5㎎・(散1%) モサプリド錠5㎎・(散1%) 慢性胃炎(セロトニン5-HT4受容体刺激薬、胸やけ)、下痢(消化管の蠕動運動活発)
セレキノン錠100㎎ トリメプチン錠100㎎ 慢性胃炎(オピアト作動薬)
アコファイド錠100㎎ アコチアミド〇 副交感神経刺激薬(消化管運動亢進薬)、機能性ディスペプシア

併用注意(併用しないこと)
抗コリン剤
ブチルスコポラミン臭化物
 チキジウム臭化物
 チメピジウム臭化物
 水和物等
本剤の胃排出作用が減弱することがある。症状により一方を減量、中止する。又は必要に応じて間隔をあけて投与する。
抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する。

とはいうものの、プリンペランには抗コリン作用がある。

トラベルミン配合錠 ジフェンヒドラミン/ジプロフィリン〇 抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)、車酔い、抗コリン3点
メリスロン錠12㎎ ベタヒスチン錠6㎎・(錠12㎎) 内耳循環改善薬(抗めまい薬)、内リンパ水腫除去(メニエール病)、抗コリン作用注意
セファドール錠25㎎ ジフェニドール錠25㎎ 内耳循環改善薬(抗めまい薬)、内耳障害の解消、抗コリン作用注意

トラベルミン、今日p.928
内耳迷路と嘔吐中枢に選択的に作用する
乗り物酔いやメニエール症候群
眠気、頭重感、全身倦怠感
ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬、眠気強い)/ジプロフィリン(キサンチン系薬剤)

内耳循環改善薬(抗めまい薬)
血流改善作用などにより内耳のむくみなどを改善し、メニエール病などのめまいや難聴などの症状を改善する薬

セファドール
めまいに関わる首の左右を通る椎骨動脈の血流改善や平衡に関わる前庭神経の調節などによりめまいを改善
神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をもつ

メリスロン
メリスロンは、微小循環系、特に内耳の毛細血管前括約筋を弛緩し、内耳血管系の血流を増加するほか、
内耳毛細血管の透過性を調整することにより、内リンパ水腫を除去する。また、内頸動脈の血流量を
増加し、脳循環をも改善して、めまい、めまい感を消退させる。

元々ヒスタミンの研究から派生した

⑴ 消化性潰瘍の既往歴のある患者及び活動性の消化性
潰瘍のある患者
〔 本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H2受
容体を介して胃酸分泌亢進を引きおこすおそれ
がある。〕
⑵気管支喘息の患者
〔 本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H1受
容体を介して気道の収縮を引きおこすおそれが
ある。〕
⑶褐色細胞腫のある患者
〔 本剤はヒスタミン類似作用を有するため、アド
レナリンの過剰分泌により血圧上昇を引きおこ
すおそれがある。〕

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1)サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし(概要)
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2016年11月5日(第2版発行)

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)製薬メーカー入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2019年5月(令和1)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)

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