睡眠薬(催眠・鎮静系抗うつ薬)適応外使用

2020年4月28日

副作用リスク、特に依存形成リスク対策の観点から、診療報酬改定において厳しい処置が取られている。

2014年度診療報酬改定では、向精神薬の多種類処方に対して、処方箋料や薬剤料の減額規定が盛り込まれた。

2016年度診療報酬改定では、「3種類以上の抗不安薬または睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬または抗精神病薬を処方した場合」、減額対象がより厳しくなった。

今まで当たり前のように行われてきた「半減期の異なる睡眠薬の併用」は意味のあることだったのだろうか。副作用防止のためには、GABAa受容体作動薬(BZD系やZ-Drug系薬物)同士の併用だけではなく、作用機序の異なる薬物を併用してみることも必要であろう。(実践薬学2017,pp.37-38)

例えば、うつ病性不眠に対しては、適応外処方ではあるものの、ガイドラインの中に次のような記載がある。

「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」-出⼝を⾒据えた不眠医療マニュアル-(2013年6⽉25⽇初版、10月22日改訂)⇒適応外処方

「うつ病性不眠に対しては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりもミアンセリン、トラゾドン、ミルタザピンなどの催眠鎮静系抗うつ薬を⽤いる価値がある。原発性不眠症に対して抗うつ薬を使⽤することは適応外処⽅であり薦められない。ただし、睡眠薬が奏功せず、抑うつ症状がある患者に対しては催眠・鎮静系抗うつ薬を⽤いる価値がある。その場合にも、持ち越し効果など副作⽤に留意すべきである。【推奨グレードB】」

山本2017では、上記3薬に加えてアミトリプチン(同じく適応外処方)を挙げている。

「2002年に不眠のために米国で使われた薬剤の相対処方頻度の調査で、トラゾドン、ゾルピデムに続いて第3位にランクインしている(ちなみに4位はミルタザピンで6位はクエチアピン)」。(実践薬学2017,p.41)

ミアンセリン(テトラミド)
トラゾドン(レスリン、デジレル)
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)
アミトリプチン(トリプタノール)

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)