1.母集団と標本(全体から一部を抽出して推定する)
1.母集団と標本(全体から一部を抽出して推定する)
統計では、様々なデータを取り扱いながら、各種のデータ分析を行います。
ここで、データとは、興味のある対象に関わる情報のことです。
つまり、何の目的もなく、ただやみくもに集めたデータでは、何の意味もありません。
データとは、目的に沿って集めるものです。
ところで、医療統計においては、一般的に、全数調査を行うことはまずありません。
例えば、高血圧症患者を対象とした場合、全ての高血圧症患者を臨床試験や臨床研究に集めることは不可能です。
そこで、全体(母集団)から〈抽出〉した標本(一部の患者)を使って、全体(母集団)を〈推定〉するというやり方が取られます。
ある母集団(この場合、あらゆる高血圧患者)が持っている特徴を、その母集団から抽出した標本(治験患者など)に基づいて明らかにしようということです。
このとき、目的に沿ったデータを集めるためには、事前の計画が大切になります。
例えば、同じ高血圧症とはいっても、糖尿病合併の患者が対象であれば、それに応じた患者さんを集めることになります。
こうしたやり方が理解できれば、医薬研究の論文を、より正確に読むことができるようになります。
つまり、その試験では、母集団はどのような患者を想定しており、標本はどのような患者を抽出したデータなのかを考えて、試験の評価をすることができるようになります。
- 吉田寛輝著『いちばんやさしい医療統計』アトムス社(2019年)
- 神田善伸著『EZRでやさしく学ぶ統計学』中外医学社(2020年)
- 阿部真人著『統計学入門』ソシム社(2021年)
- 文部省認定社会通信教育『現代統計実務講座 テキスト1』実務教育研究所(1965年)
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1)サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
⇒サリドマイド事件のあらまし(概要)
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2015年3月21日(電子書籍:Amazon Kindle版)
2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)
2022年03月10日(第6版発行)
2023年02月20日(第7版発行)、最新刷(2023/02/25)本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。
Web管理人
山本明正(やまもと あきまさ)
1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2023年1月(令和5)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)