抗真菌薬(爪白癬治療・外用薬)
抗真菌薬(爪白癬治療・外用薬)概要
爪白癬の治療には、内服の抗真菌薬が使われてきた。
しかし、それらの薬は、副作用があったり相互作用(禁忌)が多かったりして使いづらかった。
外用薬で爪白癬の治療ができることは、非常に画期的なことである。
ただし、爪の大部分が白癬菌に感染して濁ってしまっているような場合、外用薬だけでは治療できない。
適切な薬物を適切に使用して、一度きちんと治療を完了させることが大切である。
なお、内服の新しい薬が2018年5月に薬価収載されている。
医薬品各種(爪白癬治療・外用薬)
ルナコック(一般名:ルリコナゾール)
表在性抗真菌薬(イミダゾール系):(今日の治療薬2020,p.131)
ルリコナゾールの最小発育阻止濃度(MIC)は、既存の抗真菌薬のなかで最も小さい。
つまり、それだけ強い抗真菌作用を有している。
ルナコックは、このように元々強い抗真菌作用を持っているルリコンを、さらに改良した薬物である。
つまり、有効成分(ルリコナゾール)の濃度が、ルリコンの5倍になっている。
濃度を高くすることによって、薬が浸透しにくい爪でも効果が得られやすくなっている。
そして、有効成分は同じであることから、未知の副作用が出る心配が少ない。
また、価格も安い。
ルナコックは、容器の先端を爪に押し当てて、薬液を染み出させるようにして使う。
従来の抗真菌薬と同じ使い方であるが、高齢者などでは多少使いづらい。
クレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)
表在性抗真菌薬(トリアゾール系):
「ハケと一体型ボトルで塗布しやすい」。(今日の治療薬2020,p.131)
クレナフィンには刷毛(はけ)が付いているため、爪に塗りやすくなっている。
非常に使い勝手がよく、薬を出し過ぎてしまうという失敗も少ない。
クレナフィンは、爪の主成分であるケラチンへの吸着率が、ほかの抗真菌薬よりも低くなっている。
(クレナフィン:85.7%、そのほかの抗真菌薬98.1~99.5%)
このことによって、クレナフィンは爪に全て吸着されてしまうことなく、爪床(爪と皮膚の接触面)まで届き、爪全体の白癬菌に効果を発揮することができる。
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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)
2022年03月10日(第6版発行)
2023年02月20日(第7版発行)、最新刷(2023/02/25)本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。
Web管理人
山本明正(やまもと あきまさ)
1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2023年1月(令和5)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)