減感作療法薬(アレルゲン免疫療法薬)

2020年11月4日

免疫(減感作)療法薬(概要)

「「減感作療法」は、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)をあえて投与することで特殊な免疫反応を起こし、アレルギー反応を弱めてしまうという治療方法ですが、詳しいメカニズムはまだ明らかになっていません」。(児島2017,p.161)

医薬品各種(減感作療法薬)

シダトレン(一般名:スギ花粉エキス)

免疫(減感作)療法薬(スギ花粉舌下液):
「自然経過の改善が期待できる」。(今日の治療薬2020,p.363)
2021年3月31日にて経過措置期間満了・薬価削除となる予定。

シダキュア(一般名:スギ花粉エキス)

免疫(減感作)療法薬(スギ花粉舌下錠):
「舌下錠で室温保管可。小児適応あり」。(今日の治療薬2020,p.363)

アシテア(一般名:ダニ抗原エキス配合)

免疫(減感作)療法薬(ダニ舌下錠):
「シダトレン参照」。(今日の治療薬2020,p.364)

使われている抗原は、全世界共通のダニである。
(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)
アシテアの抗原量は、ミティキュアの5倍以上もある。
(今のところ、治療効果や副作用には、そこまでの目立った違いはないとされている)

アシテアは、「舌下投与後は完全に溶解するまで保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える」。
(およそ3分以内に溶けてしまうように設計されている)

アナフィラキシー・ショック回避のため、個々人に応じた漸増法を用いる。
(専門の医師しか処方できない)

ミティキュア(一般名:ダニ抗原エキス配合)

免疫(減感作)療法薬(ダニ舌下錠):
「シダトレン参照」。(今日の治療薬2020,p.364)

使われている抗原は、全世界共通のダニである。
(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)
ミティキュアの抗原量は、アシテアの1/5以下である。
(両剤間で効果・副作用に差があるかどうか、まだよく分かっていない)

ミティキュアは、「舌下にて1分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える」。
(10秒以内に溶け切ってしまうとされている)

アナフィラキシー・ショック回避のため、個々人に応じた漸増法を用いる。
(専門の医師しか処方できない)

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1)サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし(概要)
上記まとめ記事から各詳細ページにリンクを張っています。
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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)
2022年03月10日(第6版発行)
2023年02月20日(第7版発行)、最新刷(2023/02/25)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2023年1月(令和5)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)