アセトアミノフェン入りの配合薬(PL配合顆粒&SG配合顆粒)

2020年7月8日

PL配合顆粒(総合感冒薬:風邪薬)

  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)150mg
  • 無水カフェイン(ねむけ、倦怠感、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛)60mg
  • サリチルアミド(解熱鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬)270mg
  • プロメタジンメチレンジサリチル酸(抗ヒスタミン薬)13.5mg
    (以上、配合顆粒1g中の成分量)

効能・効果:
「感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和
鼻汁,鼻閉,咽・喉頭痛,頭痛,関節痛,筋肉痛,発熱」

アセトアミノフェン(カロナールなどの有効成分)が入っており、解熱・鎮痛効果が期待できる。⇒アセトアミノフェン重複投与に注意する。(実践薬歴2018,pp.92-100)

アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬が配合されており、くしゃみ・鼻水などの諸症状に効果がある。⇒抗コリン作用、前立腺肥大患者では尿閉に注意する。(実践薬歴2018,pp.92-100)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含むため、NSAIDs一般の注意に従う。

用法・用量は「通常,成人には1回1gを1日4回経口投与する」であり、包装は1シート「4包綴り」になっている。ただし、一般的な処方では、1回1g1日3回の処方が圧倒的に多い。

SG配合顆粒(解熱鎮痛薬:痛み止め)

  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)250mg
  • 無水カフェイン(ねむけ、倦怠感、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛)50mg
  • イソプロピルアンチピリン(解熱鎮痛薬、ピリン系)150mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素(解熱鎮痛薬)60mg
    (以上、配合顆粒1g中の成分量)

効能・効果:
「感冒の解熱,耳痛,咽喉痛,月経痛,頭痛,歯痛,症候性神経痛,外傷痛」

アセトアミノフェン以下の解熱・鎮痛薬を4種類組み合せており、痛み止めとしての効果が高い。

使用上の注意点

両剤共にアセトアミノフェンを含む

両剤共にアセトアミノフェンが配合されており、次の【警告】がある。

「本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること」。

もちろん、カロナール錠の用法及び用量には、急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)では「アセトアミノフェンとして(中略)1日最大1,500mgを限度とする」との記載がある。(カロナール添付文書)

また、上記以外の適応疾患の場合、「1日総量として4,000mgを限度とする」とされている。したがって、アセトアミノフェンの1日最大投与量が4gであることは間違いない。

それに対して、PL配合顆粒あるいはSG配合顆粒の添付文書を読む限り、アセトアミノフェンを含む薬剤を複数併用することは不可(【警告】)と理解される。

つまり、複数薬剤を合わせたアセトアミノフェンの1日総量を検討する余地は無いことになる。これは、医療用医薬品、一般用医薬品を問わず適用されることも添付文書に明記されている。

児島2017(pp.122-124)では、PL配合顆粒とSG配合顆粒の併用について、併用を前提とした解説をことさら詳しく行っている。不可解である。

実践薬歴2018(pp.92-100)では、PL配合顆粒を処方された患者に既に他科処方のアセトアミノフェン製剤があり、疑義紹介(肝障害防止のためアセトアミノフェンの併用回避)をするも変更に至らなかった場合の対応について示している。

同書では、禁忌(次の患者には投与しないこと)に該当する項目のない患者であれば、そのまま調剤するとしている。もちろん、PL配合顆粒の処方は短期間であること(急性上気道炎として5日程度)、そして、PL配合顆粒とそのほかのアセトアミノフェンを併用中はアルコールを控えるということが前提となる。

市販薬との併用に注意する

両剤共に含まれているアセトアミノフェン・無水カフェインは、市販の感冒薬や鎮痛薬にも含まれていることが多い。PL配合顆粒やSG配合顆粒を服用する場合には、成分が重なる恐れがあり注意が必要である。

SG配合顆粒にはピリン系薬物が含まれている

ピリン系薬物とは、ピラゾロン骨格を有する解熱鎮痛薬のことであり、厳密にいえばNSAIDsではないが、NSAIDsに分類されることもある。

ピラゾロン基本骨格を有する解熱鎮痛薬(ピリン系薬物)

  • ピラゾロン誘導体:
    (アンチピリン、アミノピリン、スルピリン、イソプロピルアンチピリン)
  • ピラゾリジン誘導体:
    (フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、フェプラゾン、スルフィンピラゾン)

ピリン系薬物は、解熱・鎮痛薬として用いられる。しかしながら、アレルギーによる発疹(ピリン疹)などの副作用があり、一部を除いて使用禁止になったりして、現在では使用は限られている。

そうした中で、イソプロピルアンチピリンだけは安全性が高く今でも盛用されている。ほとんどの場合、アセトアミノフェン・無水カフェインと併用する形で市販薬や医療用医薬品として使用されている。

アスピリンはピリン系薬物ではない

アスピリン(アセチルサリチル酸)はピリン系薬物ではない。

それにもかかわらず、診療ガイドラインでさえも、例えばアスピリン喘息について、「アスピリンだけでなく、ピリン系、非ピリン系に関わらずほとんどの解熱鎮痛薬が原因となります」という書き方をしている。(重篤副作用疾患別対応マニュアル/非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作(厚生労働省2006年11月)p.6)

この、アスピリン(アセチルサリチル酸)⇒ピリン系という誤解は、医療関係者の間でもよく見られる現象である。一般的に、ピリン系という言葉が正しく理解されていることは非常に少ない。

問診票に「ピリン疹」の項目が含まれている場合、患者がアスピリン喘息を念頭に回答するかもしれないことに留意する。

バファリンと小児用バファリンの有効成分は異なる

バファリンの有効成分は、アスピリン(アセチルサリチル酸)であり、小児用バファリンの有効成分は、アセトアミノフェンである。

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本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)