頻尿・過活動膀胱治療薬など(ウリトスなど)

2020年5月27日

医薬品各種(頻尿・過活動膀胱治療薬)

消失半減期は、イミダフェナシン(2.9時間)、ソリフェナシン(40時間)である。

ウリトス、ステーブラ(一般名:イミダフェナシン)

「ムスカリンM1,M3に対して拮抗作用。膀胱選択性が高い」。(今日の治療薬2020,p.1039)

「通常、成人にはイミダフェナシンとして1回0.1mgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。効果不十分な場合は、イミダフェナシンとして1回0.2mg、1日0.4mgまで増量できる」。(ウリトス添付文書)

「健康成人男性5例にイミダフェナシン0.25mgを1日2回5日間反復投与した時、初回投与後と最終回投与後の血漿中濃度推移はほぼ同様であった。また、薬物動態パラメータにも変動は認められず、反復投与による蓄積性は認められなかった」。(同上)

Ritschel理論からも、投与間隔12時間/消失半減期2.9時間=4.14>4.0となり、定常状態にはならない薬物と考えられる。したがって、もし口渇などの副作用がでるとすれば、初回投与時から出現する可能性がある。p.53

「腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧」日本腎臓病薬物療法学会(2019年4月1日改訂(32版))
リスト記載無し⇒ただし、添付文書には以下の関連事項有り。

「重度の腎障害のある患者については、1回0.1mgを1日2回投与とする」。(ウリトス添付文書)
⇒つまり、重度の腎障害があっても使用可(通常用量)だが、増量の余地は無い。

ベシケア(一般名:ソリフェナシン)

「ムスカリンM3選択性があるムスカリン受容体拮抗薬」。(今日の治療薬2020,p.1039)

「通常、成人にはコハク酸ソリフェナシンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10mgまでとする」。(ベシケア添付文書)

「健康高齢・非高齢男女に本剤10mgを1日1回28日間反復経口投与したときの血漿中濃度は、非高齢者では投与後1~2週間で、高齢者では投与後2~3週間で定常状態に達した。また、反復投与により血漿中濃度は単回投与時に比べ2~4倍に上昇した」。(同上)

消失半減期約40時間であり、1日1回投与では定常状態に達する。そして、高齢者の半減期は若年者よりも長くなっており、そのため定常状態に達する時間も若年者よりは長くなっている。したがって、口渇などの副作用や頻尿の改善傾向は、最初の1週間程度ではよく分からない可能性もある。

「腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧」日本腎臓病薬物療法学会(2019年4月1日改訂(32版))
リスト記載無し⇒添付文書には下記の記載有り。

「重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満):血中濃度が上昇するおそれがある」。(ベシケア添付文書)

ベタニス(一般名:ミラベグロン)

選択的β3アドレナリン受容体作動薬:

腎機能低下時の用法・用量(ミラベグロン)

「腎機能低下患者さんへの投与量記載がある薬剤例(内服のみ)」(薬物動態学マスター術第2版、2019,pp.108-111)

ミラベグロンは、CYP2D6阻害薬(中程度)である

「医療現場における薬物相互作用へのかかわり方ガイド」日本医療薬学会(2019年11月)
表:CYPの関与する基質、阻害薬、誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意が必要な薬物)p.45
「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

ミラベグロンは、CYP2D6阻害薬(中程度)である。ノルバデックス錠(タモキシフェン、CYP2D6の基質薬)と併用すると、ノルバデックスの代謝を阻害する可能性がある。(実践薬学,pp.139-142)

頻尿・過活動膀胱治療薬の抗コリン作用による口渇を避けるために、作用の異なるミラベグロン(抗コリン作用無し)に変薬するケースがあるかもしれない。しかしその場合には、併用薬(CYP2D6の基質薬)に留意すること。

ベオーバ(一般名:ビベグロン)

ブラダロン(一般名:フラボキサート)

バップフォー(一般名:塩酸プロピベリン)

ネオキシ、ポラキス(一般名:オキシブチニン)

抗コリン作用リスクスケール、3点。(実践薬学2017,p.112)

トビエース(一般名:フェソテロジン)

腎機能低下時の用法・用量(フェソテロジン)

「腎機能低下患者さんへの投与量記載がある薬剤例(内服のみ)」(薬物動態学マスター術第2版、2019,pp.108-111)

デトルシトール(一般名:トルテロジン)

抗コリン作用リスクスケール、2点。(実践薬学2017,p.112)

トルテロジンは、CYP2D6の基質薬(影響を強く受けやすい)である

「医療現場における薬物相互作用へのかかわり方ガイド」日本医療薬学会(2019年11月)
表:CYPの関与する基質、阻害薬、誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意が必要な薬物)p.45
「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)