血管拡張薬・肺高血圧症治療薬

2021年6月23日

医薬品各種(血管拡張薬・肺高血圧症治療薬)

オパルモン(一般名:リマプロスト)

プロスタグランジンE1製剤:
「軽・中等症虚血肢に使用」。(今日の治療薬2021,p.706)

アデムパス(一般名:リオシグアト)

可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬:
「NOを介さずにグアニル酸シクラーゼを直接刺激。唯一のCTEPTの承認薬。PDEー5阻害薬との併用は禁」。(今日の治療薬2021,p.710)

リオシグアトは、CYP3A基質、P糖蛋白(P-gp)基質である

「薬物動態の変化を伴う薬物相互作用2019」/PharmaTribuneのリストには記載無し。

  • 「経口アゾール系抗真菌薬の併用禁忌」(実践薬学2017,p.124)
    併用禁忌:イトラコナゾール(イトリゾール)・CYP3A、P-gp阻害薬p.99

リオシグアトは、BA100%で、胆汁と腎から排泄される。したがって、肝・腎のP-gpの関与を受ける。

本剤1.0mg経口投与後の1.0mg静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは、94.3%であった。また、本剤の代謝物M-1では100%であり、本剤はほぼ完全な経口吸収を示した。

本剤は、主にCYP1A1、CYP2C8、CYP2J2及びCYP3Aによって脱メチル化され、主代謝物M-1が生成された後、薬理活性のないN-グルクロン酸抱合体に代謝される。M-1のグルクロン酸抱合化は、ヒトにおいて主にUGT1A1及びUGT1A9が触媒し、N-グルクロン酸抱合体
M-4を生成する。

健康成人男性4例に[14C]リオシグアトを単回経口投与したところ、投与量の4~19%は未変化体として腎から排泄され、7~23%は代謝物M-1として尿中に排泄された。

カルナクリン(一般名:カリジノゲナーゼ)

循環ホルモン剤:
「キニンを遊離し、末梢血管拡張作用を示すが、臨床効果は緩徐」。(今日の治療薬2021,p.706)

トラクリア(一般名:ボセンタン)

エンドセリン受容体拮抗薬:
「非選択的エンドセリン受容体拮抗薬(非ペプチド系)、小児用は4分割でき、用量調節可能。小児が飲みやすい味」。(今日の治療薬2021,p.708)

  • CYP2C9誘導作用(弱い)があり、ワルファリンの抗凝固作用を減弱する作用を有する。(PISCS2021,p.155)
  • 誘導薬の臨床用量における見かけのCYP3A4のクリアランスの増加IC(CYP3A4)
    IC(CYP3A4)0.49倍、(PISCS2021,p.48)、CYP3A4誘導薬

レバチオ(一般名:シルデナフィル)

PDE-5阻害薬:
「ボセンタンと相互作用あり。半減期が短い」。(今日の治療薬2021,p.709)

シルデナフィルは、CYP3A4の基質薬である(影響を強く受けやすい)

  • 「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)、(実践薬学2017,pp.146-147)
  • 「経口アゾール系抗真菌薬の併用禁忌」(実践薬学2017,p.124)
    併用禁忌:イトラコナゾール(イトリゾール)・CYP3A、P-gp阻害薬

アドシルカ(一般名:タダラフィル)

PDE-5阻害薬:
「持続性で1日1回投与。ボセンタン併用で血中濃度が低下」。(今日の治療薬2021,p.710)

タダラフィルは、CYP3A4の基質薬である(影響を強く受けやすい)

  • 「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)、(実践薬学2017,pp.146-147)
  • 経口アゾール系抗真菌薬の併用禁忌」(実践薬学2017,p.124)
    併用禁忌:イトラコナゾール(イトリゾール)・CYP3A、P-gp阻害薬

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)
2022年03月10日(第6版発行)
2023年02月20日(第7版発行)、最新刷(2023/02/25)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2023年1月(令和5)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)