活性型ビタミンD3製剤(エディロールなど)

2020年12月15日

活性型ビタミンD3製剤(概要)

⇒「骨粗鬆症について

(参考:児島2017,p317)

活性型ビタミンD3製剤

活性型ビタミンD3(カルシトリオール)は、腸管からのカルシウム吸収を促進し、副甲状腺ホルモンの生成、分布を抑制する。
また、骨代謝に影響を与えて椎体骨折抑制作用を示す。
1日1回の服用でよく、盛用されている。

ガイドライン上の推奨度は、エルデカルシトールの方が、アルファカルシドールよりも一段高くなっている。
その理由は、エルデカルシトールの方が、有意に骨密度を上昇させ、新規椎体骨折の発生を抑制するからである。

エルデカルシトール ← アルファカルシドール(ガイドライン2015)

  • 骨密度:上昇効果がある(A)← 上昇するとの報告がある(B)
  • 椎体骨折:抑制する(A)← 抑制するとの報告がある(B)
  • 非椎体骨折:抑制するとの報告がある(B)← 同左
  • 大腿骨近位部骨折:抑制するとの報告はない(C)← 同左

エルデカルシトールは、アルファカルシドール(あるいはカルシトリオール)に骨代謝の効果を上乗せした改良版ということができる。
これには、「ビタミンD結合蛋白(DBP)との親和性がアルファロールよりも4倍以上高く、薬が全身に広く運搬されやすい」ことも関係していると考えられる。

ビタミンD3製剤は、1日1回の服用でよく、ビスホスホネート製剤(第一選択薬)のような複雑な服用方法も必要ないため、非常に使いやすい薬物である。

また最近では、筋力維持による骨折防止(転倒防止)効果が注目されている。

つまり、ビタミンD3製剤の骨折防止(転倒防止)効果について、「ビタミンDがカルシウム吸収を促すだけでなく、筋力や歩行能力を維持する効果を持つ」と考えられるようになっている。

  • カルシトリオール(活性型ビタミンD3)
    1,25水酸化ビタミンD3(1α,25(OH)2-D3)
  • アルファカルシドール(ビタミンD3誘導体)
    25水酸化ビタミンD3(1α-OH-D3)
  • エルデカルシトール(活性型ビタミンD3誘導体)
    活性型ビタミンD3の2β位にヒドロキシプロピルオキシ基を導入

服薬上の注意点(活性型ビタミンD3製剤)

カルシウムの吸収が過剰になって、高カルシウム血症を生じる恐れがある。
サプリメントなどの摂取には注意が必要である。

医薬品各種(活性型ビタミンD3製剤

ワンアルファアルファロール(一般名:アルファカルシドール)

活性型ビタミンD3製剤:
「肝臓で側鎖の25位が水酸化され活性代謝体になる。腸管からのCa吸収促進、血清Caレベル上昇作用」。(今日の治療薬,p.485)

ワンアルファ錠(0.25μg、0.5μg、1.0μg)
アルファロール散(1μg/gほか)
アルファロール・カプセル(0.25μg、0.5μg、1μg、3μg)
アルファロール内用液(0.5μg/mL、10mL)

アルファカルシドールは、ビタミンD3誘導体の一種である。
肝臓で代謝されて、活性型ビタミンD3(カルシトリオール)に変換される。
副甲状腺ホルモンの生成、分布を抑制し、さらに、骨代謝に影響を与えて椎体骨折抑制作用を有する。

(参考:今日の治療薬2020,pp.477-478)

【効能・効果】
1 .下記の疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状
(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善
・慢性腎不全
・副甲状腺機能低下症
・ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症
2 .骨粗鬆症

【用法・用量】
本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。
・慢性腎不全、骨粗鬆症の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5~1.0μgを経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。
・副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0~4.0μgを経口投与する。
ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。
(小児用量)
通常、小児に対しては骨粗鬆症の場合には1 日1回アルファカルシドールとして0.01~0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には 1日1回アルファカルシドールとして0.05~0.1μg/kgを経口投与する。
ただし、疾患、症状により適宜増減する。

(ワンアルファ錠添付文書)

エディロール(一般名:エルデカルシトール)

活性型ビタミンD3製剤:
「Ca代謝改善効果に加えBPやSERMに匹敵する骨代謝改善効果を持つ」。(今日の治療薬,p.486)

エディロール・カプセル(0.5μg、0.75μg)

エルデカルシトールは、活性型ビタミンD3(カルシトリオール)の誘導体である。
エルデカルシトールは、カルシトリオールよりも長い半減期を有し、骨吸収を抑制する。
その結果、アルファカルシドールと比較して、有意に骨密度を上昇させ、新規椎体骨折の発生を抑制する。
(参考:今日の治療薬2020,pp.477-478)

【効能・効果】
骨粗鬆症

【用法・用量】
通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。
ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。

(エディロール添付文書)

ロカルトロール(一般名:カルシトリオール)

活性型ビタミンD3製剤:
「ビタミンD3の生体内活性代謝体。肝・腎での活性化が不要」。(今日の治療薬,p.485)

ロカルトロール・カプセル(0.25μg、0.5μg)
ロカルトロール注射(0.5μg、1μg、各1mL)→「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」

カルシトリオールは、活性型ビタミンD3(1α,25(OH)2D3:1,25水酸化ビタミンD3)そのものである。

【効能・効果】(カプセル)
骨粗鬆症
○下記疾患におけるビタミンD 代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、しびれ、テタニー、知覚異常、筋力低下、骨痛、骨病変等)の改善
慢性腎不全
副甲状腺機能低下症
クル病・骨軟化症

【用法・用量】(カプセル)
本剤は患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに投与量を調節する。
骨粗鬆症の場合:
通常、成人にはカルシトリオールとして1日0.5μgを2回に分けて経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。
慢性腎不全の場合:
通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.25~0.75μgを経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。
副甲状腺機能低下症、その他のビタミン D 代謝異常に伴う疾患の場合:
通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.5~2.0μgを経口投与する。
ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。

(ロカルトロール添付文書)

高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)

厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」2018年5月

別表2.その他の特に慎重な投与を要する薬物のリスト【活性型ビタミンD3製剤】

  • 活性型ビタミンD3製剤
    (アルファカルシドール[アルファロール、ワンアルファ ]、エルデカルシトール[エディロール])
  • サプリメントを含むCa製剤との併用で高カルシウム血症による認知機能低下やせん妄などを引き起こすことがあるので注意が必要である。
  • アルファカルシドールは1μg/日以上の投与は控える。

(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2005(日本老年医学会)、高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2015(日本老年医学会)より改変引用)

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1)サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし(概要)
上記まとめ記事から各詳細ページにリンクを張っています。
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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2021年4月(令和3)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)