制吐薬、鎮暈薬(メリスロンなど)

2021年6月23日

医薬品各種(制吐薬、鎮暈薬)

トラベルミン(一般名:ジフェンヒドラミン/ジプロフィリン配合)

中枢性制吐・鎮暈薬(抗ヒスタミン薬および類似薬):
「迷路機能亢進抑制作用、嘔吐中枢に選択的に作用し鎮吐作用」。(今日の治療薬2020,p.938)

トラベルミン配合錠(ジフェンヒドラミン40mg/ジプロフィリン26mg)

  • 臨床試験における血中濃度変化から推定されたCYP2D6のCRおよびIR値
    ジフェンヒドラミン:IR(CYP2D6)0.61、(PISCS2021,p.50)、CYP2D6阻害薬

トラベルミン配合錠は、乗り物酔いの吐き気に盛用されている。
トラベルミン配合錠は、以下のような理由から、乗り物酔いの吐き気に最適な薬物である。

乗り物酔いは、三半規管の異常によって起こる。
吐き気の一部は、CTZを介して生ずるため、ナウゼリンやプリンペランでもある程度の効果は期待できる。
ただし、CTZを介さない嘔吐中枢の刺激によって生じる部分もある。
また、随伴症状として、平衡感覚の失調や急性の眩暈も生じる。
(児島2017,p.305より)

【効能・効果】
下記の疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐・めまい
動揺病、メニエール症候群

【用法・用量】
通常成人1回1錠を経口投与する。
必要により1日3~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

(トラベルミン配合錠)

⇒「消化管運動機能改善薬+消化酵素(ナウゼリン、プリンペランなど)

メリスロン(一般名:ベタヒスチン)

眩暈薬(狭義):
「内耳循環障害改善作用、脳内血流量改善作用」。(今日の治療薬2020,p.941)

メリスロン錠(6mg、12mg)

メニエール病などに伴うめまい症状を改善する薬物である。
内耳循環障害の改善、内リンパ水腫の除去、および脳内血流量の増加をもたらす。

【効能・効果】
下記の疾患に伴うめまい、めまい感
メニエール病、メニエール症候群、眩暈症

【用法・用量】
錠6mg: 通常、成人は1回1~2錠(ベタヒスチンメシル酸塩として1回6~12mg)を1日3回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
錠 2mg: 通常、成人は1回1錠(ベタヒスチンメシル酸塩として1回12mg)を1日3回食後経口投与する。
なお、ベタヒスチンメシル酸塩としての1回用量は6~12mgである。

(メリスロン添付文書)

副作用としては、悪心・嘔吐や発疹がある。
メリスロンはヒスタミン類似作用を有す。
消化性潰瘍や気管支喘息の症状を悪化させる恐れがある。(禁忌ではない)

メニエール病は難聴の原因になる

メニエール病では、回転性のめまい・中~低音部の難聴・耳鳴りを伴うことがよくある。
めまいの発作を繰り返しているうちに、難聴が進行してしまう恐れがある。
めまいの症状が治まってもすぐに薬を中止せず、頓服薬を使いながら3~6か月程度は様子をみる必要がある。
不快な症状が治まったら服薬を中止してしまいがちだが、この点注意を要する。
(児島2017,p.310より)

セファドール(一般名:ジフェニドール)

眩暈薬(狭義):
「椎骨動脈循環改善作用、前庭神経路調整作用、眼振抑制作用」。(今日の治療薬2020,p.941)

セファドール顆粒(10%、100mg/g)
セファドール錠(25mg)

メニエール病を含む様々な病態において、各種の作用を発揮してめまいを抑制する。
「左右の血流量のアンバランスや、異常な神経興奮といった内耳障害を解消する作用」を有する。(児島2017,p.309)

【効能・効果】
内耳障害にもとづくめまい

【用法・用量】
1.セファドール錠25mg:通常成人回1~2錠、1日3回経口投与する。
年齢、症状により適宜増減する。
2.セファドール顆粒10%:通常1回0.25~0.5g(ジフェニドール塩酸塩として25~50mg)を1日3回経口投与する。

(セファドール添付文書)

ジフェニドールは、抗コリン作用を有する。
前立腺肥大や緑内障などの症状を悪化させる恐れがある。(禁忌ではない)

アデホスコーワ(一般名:アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物)

⇒「脳梗塞治療薬(アデホスコーワなど)

めまい、メニエール病および耳鳴症で使われることが多い。

ナゼア(一般名:ラモセトロン)

5-HT3受容体拮抗制吐薬:
「【錠】作用は強力かつ持続的」。(今日の治療薬2020,p.940)

ラモセトロンは、CYP1A2の基質薬である(影響を中程度に受けやすい)

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

イメンド(一般名:アプレピタント)

ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬:
「日本初のニューロキニン(NK1)受容体拮抗薬」。(今日の治療薬2020,p.940)

CYP2C9誘導作用(弱い)があり、ワルファリンの抗凝固作用を減弱する作用を有する。(PISCS2021,p.155)

アプレピタントは、CYP3A4の基質薬である(影響を強く受けやすい)

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

アプレピタントは、CYP3A阻害薬である(中程度)

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)
2021年08月25日(第5版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2021年4月(令和3)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)