免疫調整・免疫抑制薬

2020年9月12日

薬物間相互作用

グレープフルーツジュースとの飲み合わせ(免疫抑制薬)

⇒「グレープフルーツジュースとCa拮抗薬など(CYP3A阻害)

タクロリムスシクロスポリンは、共にCYP3A4基質薬(中程度に影響を受けやすい)である。
グレープフルーツジュースとは、併用注意(併用に注意すること)となっている。

ネオーラル添付文書:
「本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤服用時は飲食を避けることが望ましい」。

プログラフ添付文書:
「腎障害等の副作用が発現することがある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減・休薬等の処置を行う」。

医薬品各種(免疫調整・抑制薬)

リウマトレックス(一般名:メトトレキサート)

免疫抑制薬(DMARDs):

腎機能低下時の用法・用量(メトトレキサート)

「腎機能低下時に特に注意が必要な経口薬の例」(実践薬学2017,p.163)
尿中未変化体排泄率(90%)、減量法の記載無し。
腎障害患者は禁忌。

「腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧」日本腎臓病薬物療法学会(2019年4月1日改訂(32版))

  • CCr(60mg/dL以上)、常用量
    1)関節リウマチ:6mg/週で開始し、4~8週間経過しても効果不十分であれば8~16mg/週まで増量。1週間あたりの投与量を1~3回に分割し、12時間間隔で1~2日間かけて投与(関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン. 日本リウマチ学会2010)
  • CCr(30~60mg/dL未満)
    低用量から開始し,最初から葉酸の併用が望ましい(関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン. 日本リウマチ学会2010)
  • CCr(30mg/dL未満、透析患者を含む)
    禁忌(関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン. 日本リウマチ学会2010)

リマチル(一般名:ブシラミン)

免疫調節薬(DMARDs):

腎機能低下時の用法・用量(ブシラミン)

「腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧」日本腎臓病薬物療法学会(2019年4月1日改訂(32版))

  • CCr(60mg/dL以上)、常用量
    1日300mgを分3、食後、最大1日300mg
  • CCr(60mg/dL未満)
    禁忌(ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害を起こすおそれがある)
  • HD(血液透析)・PD(腹膜透析)
    腎機能の廃絶した透析患者の用量は1回100mgを週3回HD後

アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン)

免疫調節薬(DMARDs):

ペンタサ(一般名:メサラジン)

免疫調節薬:

アサコール(一般名:メサラジン)

免疫調節薬:

プログラフ(一般名:タクロリムス)

免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬):
「QT延長を来す主な薬剤」(実践薬学2017,p.212)

タクロリムスの定常状態平均血中濃度を求める

⇒「定常状態における平均血中濃度の推算

(どんぐり2019,p.91)

体重50kg、腎移植後の管理
タクロリムスカプセル1mg、1回3カプセル、1日2回朝夕、30日分

消失半減期(hr)= 7.93±5.16h(hr)
投与間隔/消失半減期=12/8=1.5<3.0⇒定常状態がある

平均血中濃度(Css.ave) = (F×S×Dose/τ)/(Vd×Ke)

バイオアベイラビリティ(F)=20±17.8%[成人腎移植患者9例に0.125~0.24mg/kg経口投与(カプセル)時]
塩係数(S)=0.98(小数点第3位繰上げ)、(H2O=18、(822.03-18)/822.03≒0978)
1回投与量(Dose)=3mg
投与間隔(τ)=12時間
分布容積(Vd)=1.010±0.382L/kg
消失速度定数(Ke)=0.693/t1/2
=0.693/7.93≒0.087(/hr)

平均血中濃度(Css.ave)
=(0.2×0.98×3mg/12hr)/(1.01L/kg×50kg(体重)×0.087hr)
=0.049/4.3935
=0.0112mg/L⇒11.2ng/mL

単回投与時の最高血中濃度(定常状態の血中濃度ふり幅
=(F×S×Dose)/(Vd)
=(0.2×0.98×3mg)/1.01L/kg×50kg(体重)
=0.588/50.5
=0.0116mg/L⇒11.6ng/mL

定常状態での最高血中濃度(Css.max)
= Css.ave + 1/2×(F×S×Dose)/Vd
=11.2+11.6×1/2
⇒17.0ng/mL

定常状態での最低血中濃度(Css.max)
= Css.ave - 1/2×(F×S×Dose)/Vd
=11.2-11.6×1/2
⇒5.4ng/mL

プログラフの有効血中濃度:
5~20ng/mL
おおむね有効血中濃度の範囲に入っている。

タクロリムスは、CYP3Aの基質薬(影響を中程度に受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

ネオーラル(一般名:シクロスポリン)

免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬):

「薬物動態の変化を伴う薬物相互作用2019」/PharmaTribune

シクロスポリンは、CYP2C8阻害薬(中程度)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

シクロスポリンは、CYP2C9阻害薬(中程度)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

シクロスポリンは、CYP3A阻害薬(中程度)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

シクロスポリンは、CYP3A4の基質薬(影響を中程度に受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

シクロスポリンは、P-gp阻害薬である

シクロスポリンは、P糖蛋白(P-gp:排出トランスポーター)阻害薬である。

(P糖蛋白(P-gp)は)小腸の管腔側膜に発現し薬物の吸収を抑制する一方、肝臓の胆管側膜および腎臓の尿細管側膜に発現し、薬物の胆汁排泄・腎排泄を促進する。(主に消化管・脳からの排出に影響)

(P糖蛋白の)阻害により、一般には基質薬物の吸収促進・排泄抑制が起こり、血中濃度の上昇、薬効・副作用の増強が起こると考えられる。一方、脳内への移行抑制にも働ことから、その阻害は、薬物の脳内移行を上昇させる可能性がある。

シクロスポリンは、OATP1B1阻害薬である

シクロスポリンは、OATP1B1(取り込みトランスポーター)阻害薬である。
相互作用を受ける薬物(OATP1B1の基質):スタチン系薬物など。p.98

OATP1B1は肝臓の血管側膜に発現し、薬物の肝臓への取り込みを促進する。OATP1B1が阻害されると、一般に基質薬物の血中濃度の上昇、薬効・副作用の増強が起こると考えられる。

スタチン系薬は、OATP1B1の基質である。つまり、スタチン系薬はOATP1B1によって肝臓に取り込まれてその作用を発揮する。そこで両者が併用されていると、シクロスポリンのOATP1B1阻害作用によって、スタチン系薬が肝臓に取り込まれなくなる。その結果、スタチン系薬の血中濃度が大幅に上昇する。⇒詳細は「ネオーラルと併用できるスタチンはどれ?」pp.80-84

オテズラ(一般名:アプレミラスト)

免疫調整薬:
「主に炎症性細胞に分布するPDE4を阻害することで、炎症性サイトカインの産生を抑制する」。(今日の治療薬2020,p.327)

腎機能低下時の用法・用量(アプレミラスト)

「腎機能低下患者さんへの投与量記載がある薬剤例(内服のみ)」(どんぐり2019,pp.108-111)

セルセプト(一般名:ミコフェノール酸)

免疫抑制薬:
「シクロホスファミドと同等の効果を有し、重篤な副作用は少ない。催奇形性のため妊婦には禁忌」。(今日の治療薬2020,p.329)

腎機能低下時の用法・用量(ミコフェノール酸)

「腎機能低下患者さんへの投与量記載がある薬剤例(内服のみ)」(どんぐり2019,pp.108-111)

オルミエント(一般名:バリシチニブ)

免疫抑制薬(JAK阻害薬):
「JAK(1と2)の阻害薬。強力だが安全性情報は不十分。腎排泄性のため腎障害では減量」。(今日の治療薬2020,p.335)

腎機能低下時の用法・用量(バリシチニブ)

「腎機能低下患者さんへの投与量記載がある薬剤例(内服のみ)」(どんぐり2019,pp.108-111)

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1)サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし(概要)
上記まとめ記事から各詳細ページにリンクを張っています。
(現在の詳細ページ数、20数ページ)

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)