三環系/四環系抗うつ薬(トフラニール、テトラミドなど)

2020年5月25日

医薬品各種(三環系/四環系抗うつ薬)

トリプタノール(一般名:アミトリプチン)

三環系抗うつ薬(TCA):
「鎮静が強く、不安・焦燥や希死念慮が強い場合に用いられる」。(今日の治療薬,p.873)
抗コリン作用リスクスケール、3点。(実践薬学2017,p.112)

トリプタノール添付文書参照
【用法・用量】
〇うつ病・うつ状態:
アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日30~75mgを初期用量とし、 1日150mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。なお、年齢、症状により適宜減量する。
〇夜尿症:
アミトリプチリン塩酸塩として、1日10~30mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
〇末梢性神経障害性疼痛:
アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えないこと。

適応外処方として、「≪慢性疼痛におけるうつ病・うつ状態。片頭痛、緊張性頭痛≫、慢性疼痛、歯科治療後神経因性疼痛、繊維筋痛症、しびれ」が挙げられている。(今日の治療薬,p.873)

海外においては、睡眠薬としても使用されている。

「2002年に不眠のために米国で使われた薬剤の相対処方頻度の調査で、トラゾドン、ゾルピデムに続いて第3位にランクインしている(ちなみに4位はミルタザピンで6位はクエチアピン)」。(実践薬学2017,p.41)

「ただし、せん妄のハイリスク患者の場合、GABAa受容体作動薬とともに三環系抗うつ薬のアミトリプチンも避けておきたい薬剤の1つだ。脳内のアセチルコリン低下はせん妄発症のリスクとなる」。(同上,p.41)

その点、同じく適応外処方ながら、「トラゾドンやミアンセリン、ミルタザピンはGABAa受容体作動薬の代替薬となり得る」。(同上,p.41)⇒(ミアンセリン、下記参照)

アミトリプチンは、CYP2D6の基質薬(影響を中程度に受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

トフラニール(一般名:イミプラミン)

三環系抗うつ薬(TCA):
抗コリン作用リスクスケール、3点。(実践薬学2017,p.112)

イミプラミンは、CYP2D6の基質薬(影響を中等度に受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

デシプラミンは、CYP2D6の基質薬(影響を強く受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

なお、デシプラミンは、イミプラミンの活性代謝物である。

アナフラニール(一般名:クロミプラミン)

三環系抗うつ薬(TCA):
「セロトニン再取り込み阻害作用が非常に強い」。(今日の治療薬2020,p.872)

クロミプラミンは、CYP2D6の基質薬(影響を中程度に受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

テトラミド(一般名:ミアンセリン)

四環系抗うつ薬:
「心血管系への影響が少ない。鎮静が強く睡眠薬としても使用可」
「適応症:うつ病・うつ状態。適応外使用:せん妄、不眠症」。(今日の治療薬2020,p.875)

四環系抗うつ薬で、主にノルアドレナリン系神経に作用して抗うつ効果を示すが、その効果は弱い。一方で、比較的強い鎮静作用を持ち、睡眠薬代わりに使われることが多い。(実践薬学2017,pp.39-40、以下要約)

睡眠障害に使用する場合は、10~30mgを就寝前に用いる。ただし、持ち越し効果に加え、起立性低血圧による転倒にも注意を要する。

5HT2a受容体遮断作用により睡眠の質を、H1受容体遮断作用により睡眠の量を改善すると考えられる。特に高齢者の不眠で、BZD系薬を使用するとせん妄や軽度意識障害が誘発されるような場合に適している。

「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」-出⼝を⾒据えた不眠医療マニュアル-(2013年6⽉25⽇初版、10月22日改訂)⇒適応外処方

うつ病性不眠に対しては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりもミアンセリン、トラゾドン、ミルタザピンなどの催眠鎮静系抗うつ薬を⽤いる価値がある。原発性不眠症に対して抗うつ薬を使⽤することは適応外処⽅であり薦められない。ただし、睡眠薬が奏功せず、抑うつ症状がある患者に対しては催眠・鎮静系抗うつ薬を⽤いる価値がある。その場合にも、持ち越し効果など副作⽤に留意すべきである。【推奨グレードB】

テシプール(一般名:セチプチリン)

四環系抗うつ薬:

ノリトレン(一般名:ノルトリプチリン)

三環系抗うつ薬(TCA):
抗コリン作用リスクスケール、2点。(実践薬学2017,p.112)

ノルトリプチリンは、CYP2D6の基質薬(影響を強く受けやすい)である

「医療現場における薬物相互作用へのかかわり方ガイド」日本医療薬学会(2019年11月)
表:CYPの関与する基質、阻害薬、誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意が必要な薬物)p.45
「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

スルモンチール(一般名:トリミプラミン)

三環系抗うつ薬(TCA):

トリミプラミンは、CYP2D6の基質薬(影響を強く受けやすい)である

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

ルジオミール(一般名:マプロチリン)

四環系抗うつ薬:

マプロチリンは、CYP2D6の基質薬(影響を強く受けやすい)である

「医療現場における薬物相互作用へのかかわり方ガイド」日本医療薬学会(2019年11月)
表:CYPの関与する基質、阻害薬、誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意が必要な薬物)p.45
「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」(2018年7月)
(実践薬学2017,pp.146-147)

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2016年11月5日(第2版発行)
2019年10月12日(第3版発行)
2020年05月20日(第4版発行)

本書は、『サリドマイド胎芽症診療ガイド2017』で参考書籍の一つに挙げられています。

Web管理人

山本明正(やまもと・あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)